第一種フロン類充塡回収業者の年度報告書の書き方と注意点
第一種フロン類充塡回収業者は、フロン排出抑制法第47条第3項に基づき、毎年度、前年度の充塡・回収実績を都道府県知事に報告する義務があります。
なお、実績がゼロであっても報告は必須です。
本記事では、東京都の記入要領をベースに、自力で正確な報告書を作成するための手順を詳しく解説します。
報告の基本ルールと準備するもの
報告期限と対象期間並びに、準備するデータ等は次の通りです。
対象期間: 毎年4月1日〜翌年3月31日
提出期限: 毎年終了後45日以内(通常5月15日まで)
提出先: 登録を受けている各都道府県知事
準備するデータ:日々の業務で作成している以下の記録を準備してください「充塡証明書」および「回収証明書」の控え(台数と重量) 破壊業者や再生業者への「引渡証明書」の控え 年度当初(4月1日時点)のフロン類保管量 フロン類が充塡されていないことの確認証明書(交付した場合)
1. 項目別の具体的な書き方

上記の、東京都の年度報告書の記載例を参考に、解説していきます。
なお、報告書の数値は、小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを記載します。
① 設置時・整備時の「充塡量」
機器の種類(エアコン / 冷蔵・冷凍機器)およびガス種(CFC / HCFC / HFC)ごとに集計します。
・設置: 新規設置時の追加充塡(機器に元から封入されている量は除外)
・設置以外(整備など): 修理などの際の追加充塡(機器から一旦抜いて戻した量は除外)
・項目①: 合計の充塡量をkg単位で記入
②整備時・廃棄等の「回収量」
・整備: 故障修理などの際に回収した量(抜いて戻した量は除外)
・廃棄等: 機器の廃棄や解体に伴い回収した量
・項目②: 合計の回収量を記入
運搬・処理の状況(引渡量など)
回収したフロン類をどう処理したかを記載します。
項目③ 年度当初の保管量: 前年度末の残量
項目④ 第一種フロン類再生業者への引渡量: 国の許可を受けた再生業者へ直接引き渡した量
項目⑤ フロン類破壊業者への引渡量: 国の許可を受けた破壊業者へ直接引き渡した量
項目⑥ 自ら再生し充塡した量: 認定設備で自ら再生し、再び製品に充塡した量(充塡量①にも合算が必要)
項目⑦ 第49条第1号の者に引き渡した量: 認定を受けた「引取業者(旧7条業者)」へ引き渡した量
項目⑧ 年度末の保管量: 3月31日時点で貴社が保管している量(新品の購入在庫は含めない)
フロン類が充塡されていないことの確認(法第41条)
フロン類が残存しないことを確認し、確認証明書を交付した台数を記入します(項目⑨〜㉔とは別の枠です)。
最重要!数値の整合性チェック
報告書の数値は、以下の計算式が成立している必要があります。これが一致しないと、自治体から内容の確認(差し戻し)が入る可能性が高くなります。
【計算式】
(年間の回収量 ②)+(年度当初の保管量 ③) =(再生・破壊業者への引渡量 ④+⑤+⑦)+(自ら再生した量 ⑥)+(年度末の保管量 ⑧)
CFC、HCFC、HFCのそれぞれの区分で、この数式が成り立つか必ず確認してください。
記入上の注意点とよくあるミス
・実績なしでも報告: 充塡・回収が1件もなかった場合でも、全ての項目を「0」として提出する義務があります
・保管量の勘違い: 項目⑧(年度末保管量)は、回収したけれどまだ業者に渡していないガスの量です。自社で使うために購入したボンベの量は含めません
・都道府県ごとの集計: 複数の都道府県に登録している場合、その都道府県内で回収した量のみを当該自治体に報告します
年度報告を怠った場合の罰則
仮にフロン事業者が年度報告を怠った場合、20万円以下の罰金が科されます。
なお、20万円以下の罰金のみならず、処分情報を公表される場合があります。
実際東京都では年度報告を怠ったとあるフロン業者を公表しています。その会社名を検索すると、会社のホームページよりも上に東京都の処分情報が表示される状態になっていますので、信用に著しく傷がつきます。
なので、必ず年度報告は行うように徹底してください。
おわりに
年度報告はフロン業者の責務です。
冒頭でも書きましたとおり、実績がゼロでもゼロである旨を報告する義務があります。
本記事では東京都の例を参考に年度報告をまとめましたが、各都道府県によって記載内容や報告方法が異なるのでご注意ください。
なお、電子報告ができる場合は電子報告をおすすめします。
